第2回は“いびき”について語ります。
いびきとは睡眠時に発生する粘膜の振動音です。
睡眠中に、咽頭や舌の筋肉の緊張が低下したときや、アデノイドなどの鼻疾患、咽頭部の障害によって
気道が閉塞するときにおこります。いずれも睡眠中は空気の通り道(気道)がふさがれ狭くなり、
そこに空気が通ると粘膜が振動し、いびきの発生となります。
主な原因としては・・・・
A肥満・Bアルコール・C薬物・Dアデノイド(咽頭扁桃)、口蓋垂の咽頭部の異常・E鼻疾患などがあります。
- A肥満
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いびきは体重の増加とともにその割合も多くなるようです。体重が増えるに連れ喉や舌も太くなり、
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その結果気道が上下左右から圧迫され気道が狭くなりいびきの発生につながります。
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- Bアルコール
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体内にアルコールが入ると気道内がうっ血し粘膜が膨張します。鼻が詰まった感じになるわけです。
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また舌や咽頭の筋肉の緊張がなくなり気道が狭くなりいびきの発生につながります。
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- C薬物
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筋弛緩薬、睡眠薬、精神安定剤などは筋の緊張を緩和させる作用があり、
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舌や咽頭の筋肉の緊張がなくなり気道が狭くなりいびきの発生につながります。
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- Dアデノイド(咽頭扁桃)、口蓋垂の咽頭部の異常
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アデノイド(咽頭扁桃)、口蓋垂の炎症や肥大により気道が狭くなり、いびきの発生につながります。
- ※アデノイド(咽頭扁桃とも言う)とは、咽頭部にある粘膜組織で風邪を引いたときなどにはこの部分が腫れて痛くなります。
- アデノイド肥大を、たんにアデノイドともいいます。
- ※口蓋垂とは、いわゆる「のどちんこ」のことです。
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- E鼻疾患
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アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などは鼻の通りが悪くなりがちで、粘膜の抵抗が大きくなり
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いびきの発生につながります。
“いびき”は、このような原因が考えられますが、睡眠時に呼吸が止まっている場合には・・・
・・・『睡眠時無呼吸症候群』が考えられます。
- 『睡眠時無呼吸症』とは、
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一晩(7時間)の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上おこったり、
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または、睡眠1時間あたりの無呼吸数や低呼吸数が5回以上おこる症状をいいます。
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睡眠中に呼吸が止まった状態(無呼吸)が断続的に繰り返される病気です。
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その結果十分に睡眠がとれず、日中の眠気、集中力、活力に欠ける、居眠りがちになる、居眠り運転で事故や重大事故などを起こしやすくなります。
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また治療をせずに放置しておくと生命に危険が及ぶ場合もあります。
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眠っている間に呼吸が数十回ときには数百回と止まるようであれば、体内の酸素不足が深刻になってくるでしょう。
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酸素が不足がおこれば「寝苦しい」「息苦しい」などの症状が現れ、睡眠不足がおこります。
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また酸素不足のため循環機能に負担をかけ、不整脈、高血圧、心不全、糖尿病といった様々な問題がでてきます。
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“いびき”のあとに呼吸が止まる人は、
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不眠(寝不足)・日中の眠気・寝相が悪い・早朝の頭痛・睡眠中急に咳き込むなどが特徴です。
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“いびき”のあとに呼吸が止まるようなときには無呼吸症を疑い、早めの治療が必要です。
どうでしたか?
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